しつけの基本
しつけの意味
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犬は本来、人と一緒に作業をするのが大好きです。その一緒にする作業を担うのが犬のしつけなのです。
犬の自由にさせることが可愛がることだと思っていませんか?それは全く逆で、犬はピラミッド型の上下関係の中に生きる動物です。信頼できるリーダーに服従することで本当の安心感と喜びを得ることができるんです。
悪いクセがついてしまってからしつけようとすると、「この前まで許されてたことなのに、急に怒られるようになった」と犬は感じます。これは、人間でもきっと同じように理不尽だと感じますよね。ですから、クセが付く前にきちんとしつけてあげれば、犬は素直に納得してくれます。
手に負えない問題行動が出てしまった時、早めにプロに任せたい時はお気軽にご相談ください。
愛犬の為にも、できるだけ早めの対処をしてあげることです。 -
しつけ教室に預ける&しつけを始める時期
理想的なしつけを始める時期は、生後4ヶ月位から6か月がベストです。
可愛がりたい時期なのはわかりますが、悪いクセを覚えてしまう前にきちんとしつけることが本来理想的であり、責任を持って飼うということです。
この生後4ヶ月から6か月というのは、人間で言うと小学校へ入学するくらいの時期。
色々なことに興味を持って、色々なことを覚えていくとても大切な時期です。
特に大型犬などは、大きくなってくると力もついてきますので、コントロールしやすい子犬の時期からきちんとしつけをしてあげてください。
心を育む
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子犬は生まれてすぐに、母犬やきょうだい犬との関わりから犬社会のルールを学びはじめます。
生後2ヶ月位まで他の犬と過ごしていないと、犬同士のコミュニケーションがとれなくなることが…。
犬を入手するときには、犬同士のルールを学んだ生後2ヶ月過ぎの子犬を。
ご家庭に犬がやってくる生後2~3ヶ月の時期には、たくさん経験を積ませましょう。 -
スキンシップ
からだじゅうさわって、信頼度アップ!
からだをさわらせるというのは信頼の現れです。小さいうちから家族だけでなく色々な人にさわってもらって、人に対する信頼を築いておかなければなりません。からだや顔など隅々までさわられることに慣らしておくと、将来病院に行くときや、トリミングサロンに行くときにも役に立ちます。
まず、子犬の段階から人に抱かれたりさわられたりすることを「心地よい」を感じさせることが大切。
いきなりさわるのではなく、段階を踏んで犬がストレスを感じないようにさわっていきます。 -
POINT
いきなり抱き上げるのはNG
まずはこちらのにおいを嗅ぐ時間を与えて。さわられて心地良いポイントからゆっくりと。
おなかは急所 時間をかけて慣らして
おなかをさわらせるのは信頼のあかし。無理にひっくりかえして触るのはNG!
赤ちゃん言葉であやすのはダメ
毅然としたリーダーらしい態度で触って!
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お手入れ
「お手入れ嫌い」にしないために
毎日のスキンシップに慣れてきたら、ブラシやコーム、ガーゼを使ったお手入れにも慣らしていきましょう。
1日1回お手入れをすると、あなたとの関係が深まるだけでなく、健康チェックにもつながります。 -
POINT
子犬のうちに慎重に慣らしておきます。
- 水にぬれること
- ドライヤー
- 爪切り
- 耳掃除
お手入れには必須項目ですが、子犬にとってはまったく知らないこと。
いきなり行うと犬が驚き事故につながることも。犬は一度怖い思いをすると、将来にわたって嫌がるようになります。
本格的なお手入れを始める前に、足だけぬらしてみたり、おやつをあげて気を引きながらドライヤーの音をきかせたり爪切りなどの感触に慣らしたりしておきます。 -
遊び
遊びを通じて関係を深める
毎日10分でも一緒に遊ぶ時間をつくると、人懐こい犬に育ちます。
犬にひとり遊びばかりさせると、人とコミュニケーションを取るよりひとりでいることを好む性格に育ってしまいます。 -
POINT
遊びはあなたとのやりとりが生まれるおもちゃで
ひも付きのおもちゃがおすすめ!
おもちゃはあなたと一緒に楽しめて、「噛む」「引っ張り合いをする」「追いかける」など、犬の本能を満たせるものを選びます。
どんな犬でも楽しめるのが「ひも付きおもちゃ」 室内でも遊べるので、ワクチン前の子犬の運動にも役立ちます。
そして、大事なのは遊びはじめと終わりのタイミングはあなたが決めて。
ねだられるまま遊ぶのはリーダー化の元。遊びの最後には犬からおもちゃを取り上げて、けじめをつけましょう。 -
社会性を身に付ける
人大好き!犬大好き!の素直な犬に育てます
子犬が家になじんできたら、周囲の環境やいろいろな音、ものに慣らしていきます。室内に閉じ込めたままはNG!
子犬の時期に多くの経験を積ませ、物怖じしない、おおらかな犬に育てます。
1回目のワクチンが終わったら、外での社会科スタート。
1回目のワクチン接種が終わり10日から2週間経ったら、
家の周辺や公園などの日影以外へ行き、人や犬に触れ合うようにしましょう。 -
社会化チェックリスト
好奇心旺盛な生後3ヶ月以内に、これらのものに慣らしておきましょう。
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家のなか
- 家族全員
- 同居している動物
- TV・ラジオの音
- ドライヤーの音
- 掃除機の音
- チャイムの音
- フローリングの床
- タイルの床
- 水
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家の外
- 車
- 電車
- 自転車
- 人ごみ
- 大きい犬
- 小さい犬
- オスの犬
- メスの犬
- 同じ犬種の犬
- 吠える犬
- 猫
- 若い男性
- 若い女性
- 高齢の男性
- 高齢の女性
- 子ども(ひとり)
- 子ども(複数)
- 走っている人
- 声の大きい人
- 制服を着た人
- コンクリート
- 芝生
- 土
- 砂利
- マンホール
- 池・川・海
生活マナー
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「トイレ」や「ハウス」などの、人間と一緒に暮らすうえで必要な生活マナーは、子犬が来た初日から教え始めます。
まだ子犬だから、と放っておいてはいけません。最初に間違った習慣を身に付けさせてしまうと、それを正すのは困難です。
毎日少しづつ教えていくと犬も自然と覚えることができます。 -
マナーを教えるうえで大切なこと
家庭内でルールを決める
ママは良いと言ったのに、パパはダメと言う。昨日はダメだと言われたのに今日は見逃された。こんな態度では子犬は混乱してしまいます。家族でルールを決めて一貫性のある態度で接しましょう。
あらかじめ犬が失敗するような状況を作らない
家の中で、犬にイタズラさせないためには原因になるものを隠すのが一番です。そのうえで、犬がしてはいけないことをしそうになったら、すみやかに止め、正しい行動に導いてください。そして出来たらほめることが肝心!禁止したり、叱るだけでは犬は何がいいことなのかわかりません。
「いいことをさせてほめる」これが子犬にマナーを教える最高の方法です。 -
基礎固めが将来の名犬をつくる!
「スワレ」や「マテ」などのしつけも大切ですが、それ以前に犬に家庭内でのふるまい方を教育することも大切。
しつけ以前の基礎のマナーを教えておくと、集中力のある落ち着いた犬に育ち、今後しつけや本格的なトレーニングを行う時に役立ちます。
人間社会でのマナーを学習することが名犬への第一歩なのです! -
マスターしたい生活マナー!
- トイレ
- トイレのしつけは飼い主さんの根気が重要!
中には覚えるのに半年かかる犬もいますが絶対に叱らないで。必ずできる時がきますから焦らずに! - ハウス
- 犬は穴倉に巣を作って生活する動物。家の中で暮らしていても自分の居場所「ハウス」が必要です。
ハウスは安心できる場所ですから、おしおきなどで閉じ込めることには使ってはいけません。 - ごはん
- 食事の時間も大切なトレーニングタイム。
食事時にとびつかれたり、吠えられたりして、催促されるがままにごはんをあげてはいけません。 - 人へのマナー
- 犬と幸せに暮らすためには、犬との上下関係をはっきりさせることがとても大切。
子犬の頃からきっちりとけじめのある関係を築きましょう。
特にオスはリーダー欲が強いので上下関係をしっかり築いて。 - おさんぽ
- 2回目のワクチンが終わったらお散歩デビュー。家の中で首輪とリードに慣らしておいて。
最初は抱っこから始め、人通りの少ない静かなところから。
犬が落ち着いてきたら地面におろし歩かせます。 - 乗り物
- まずキャリーバッグから慣らしていきましょう。その上で車や電車などにチャレンジ。
車でのおでかけが嫌な思い出にならないように、出かけた先ではたっぷり遊んであげてください。
「かわいがる」と
「甘やかす」は違います!
しっかりと区別をつけて!

犬には群れの中で優位に立ちたいという欲があります。家庭犬でもそれは同じ。
リーダシップが取れていない家庭では、犬がリーダーになろうとして結果的にわがままなふるまいをするようになり、性的に成熟する生後6ヵ月を過ぎるとどんどんエスカレートしていきます。
こんな状態は犬にとっても家族にとっても不幸なこと。しっかりとけじめのある関係を築きましょう!